成功パターンが通用しなくなってしまったら
成功した人は皆、その成功の王道パターンというものを持っています。
長年培ってきたノウハウ、結果を出してきた手法、でありその人または会社の宝と言ってもいいかもしれません。
しかし、その王道パターンがある日突然通用しなくなってしまったら?
あるいはその王道パターンがその人(会社)の運営の柱と呼べる程のものだったら・・・
なぜ、多くの人に「戦略」が必要とされるようになったのか。
この理由を考える上で大きなヒントになるのが、面白いことに、日本とアメリカそれぞれにおける正義のヒーローの戦い方だ。(中略)
アメリカ型のヒーローは皆並外れた能力や特殊な能力を武器にして開くと対決していくが、敵を倒すための必殺技は持っていない。
万一、怪物や悪人がヒーローに匹敵するような力を持っていると、苦戦強いられたり一旦は負けたりするはめに陥ってしまうのだ。
このためヒーローたちは頭を捻って敵の弱点やすきを突いたり協力者を募ったりして勝利をもぎ取る必要が出てくる。つまり彼らは戦略的でなければ生き残れないという条件を抱えている。
一方、日本型のヒーローたちは皆必殺技を持っている。どんな強敵が出てきても基本的には必殺技で木っ端微塵だ。
しかし、もし日本型のヒーローたちに必殺技が通用しない敵が現れたなら、彼らも頭を絞って敵を倒す戦略や臨機応変さを身につける必要が出てくる。
現在の日本において「戦略」が必要とされる背景には、これと全く同じ構図が隠されている。
つまり、今の日本には従来の成功パターンが”賞味期限切れ”を起こしてしまった現状があるのだ。「孫子・戦略・クラウゼヴィッツ―その活用の方程式
-守屋淳 著 より抜粋」
最近読んいる本の冒頭部分ですが、「本当にそうだなぁ」と思ったのでシェアしたいと思います。
で、僕がネットショップを運営していた時に常々危機感を持っていた事があります。
それはネット通販のマーケットはライバル過多の状況であるという事です。
ライバル過多の状況下では、如何に独創性のあるパターンを持っていたとしても、それは一時的なものでしかなく真似をされれば直ぐさまその優位性は失われてしまいます。
真似されたパターンは優位性を失ってしまうばかりか陳腐化し、当たり前のものになってしまう。
先駆者であることなど関係なく標準化されてしまえば持っている事自体に意味はなく、逆に持っていないことがハンデとして意味を持ってしまう。
下克上、栄枯盛衰よろしく、気を抜くと一気に転落してしまうわけです。
ネット通販の世界はそんな殺伐とした世界の一面もあるんですね。
生き残りに賭けるため「戦略」が必要だ、というのはネットショップ運営にも言えます。
ライバル過多の状況では成功パターンが上記の様に直ぐに賞味期限切れを起こしてしまうためです。
ライバルもまた、生き残るために必死になっている為、正攻法だけでは通用しない状況が出てくるのも仕方がないことかもしれません。
しかし、相手を慮ってばかりいて飯が食えるほど甘い世界ではないのです。
負けられない競争を強いられる時、あるいは競争状態の中で目的を達成する為の方法、それが「戦略」です。
戦略を学びビジネスに応用することができれば、あるいは王道パターンに頼らずに生き残る道が開けるかもしれません。
勝つための方法ではなく、負けないための方法を知り、チャンスを活かす方法。
もしかしたら、それが最強の王道パターンなのかもしれませんね。
プレジデント社
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